*

アイソレーションタンクと感覚遮断研究の歴史(1)

アイソレーションタンク(「臨死体験」では、隔離タンクと表現されています)の開発に関わる感覚遮断の歴史について、立花隆著「臨死体験」(文春文庫)から抜粋して、まとめてみました。

感覚遮断の研究は1950年代後半から60年代にかけて、アメリカでさかんに行われました。一つの理由は朝鮮戦争で捕虜になったアメリカ兵が洗脳されて帰ってくるという事例が多くなり、調べてみると、捕虜を完全隔離状態におき、感覚刺激ができるだけ失われた状態に置くことが、洗脳のテクニックとして重要だということがわかったことです。(そういう状態に長く置かれると、人の精神機能は徐々に狂いはじめ、やがて被暗示性が著しく高まり、どんなことでも言われた通りに従うようになるのです。)もう一つの理由は、アポロ計画のためです。宇宙飛行士は、狭い宇宙船の中で、孤独で感覚刺激の変化が乏しい環境の中で、何日も過ごさなければならない。そういう環境によって、宇宙飛行士の精神状態に狂いが生じたりしたら大変なことになるからです。この二つの理由から、アメリカ政府は、感覚遮断の研究に惜しみなく費用を投じ、それにより、この分野の研究が大きく進むことになりました。

最初の研究は、マギル大学(McGill University)のD・O・ヘッブにより、ボランティアの被験者を感覚遮断状態に置く人体実験によってすすめられました。この研究では、60ワットの電球で照らされた半防音式の小さな部屋に被験者を閉じ込め、目に半透明のゴーグルをかけさせて、外界の明暗は見分けられるが形は識別できないようにしました。音はエアコンのノイズ以外は聞こえないようにし、腕から指先まで届く大きなボール紙の筒の中に4人の被験者を置いておいたところ、なんと全員が、何らかの幻覚を体験しました。単純な人は色を見る程度でしたが、11人は壁紙模様以上のものを見ました。そのうち7人はもっと複雑なものが見えました。一人は、黒い帽子をかぶり、口を開けた人々の列を見ました。もう一人は、有史以前の動物がジャングルの中を歩き回っているところを見ました。一人は、ドアの把手(実際は存在していない把手)を見て、その方に手を伸ばしたら、指先に静電気のショックを感じたと言いました。また、人々の話し声を聞いたという人もいたし、オルゴールの音を聞いたという人もいました。

行動の機構――脳メカニズムから心理学へ(上) (岩波文庫) [文庫]D.O.ヘッブ (著)

まだまだ序の口ですね(笑)。

でも有史以前の動物・・・というのは、グラハムハンコックのスーパーナチュラルに通じるものがありますよね。

関連記事

アイソレーションタンクとは?(6)

それではエプソムソルトは水(お湯)にどれだけ溶けるのでしょうか? 先に重量のところで説明したよ

記事を読む

アイソ-レションタンクと感覚遮断の研究の歴史(4)

ジョン・C・リリー博士は半年かけて装置を開発し、1954年の暮れから自分自身を被験者にして実験を開始

記事を読む

アイソ-レションタンクと感覚遮断の研究の歴史(2)

次にプリンストン大学のジャック・ヴァーノンは、もっと完全な感覚遮断状況を作り出そうとして、完全防音で

記事を読む

アイソレーションタンクの効果3~深いリラクゼーション~

「メガブレイン―脳の科学的鍛え方」(マイケル ハッチソン著 総合法令出版)より アイソレーショ

記事を読む

水曜日のカンパネラ・コムアイさんの体験談

水曜日のカンパネラの主演・歌唱担当コムアイさんのアイソレーションタンク体験談を発見しました! ――

記事を読む

【エハン塾】John C. Lilly 博士と感覚遮断タンク

意識研究家・講演家・作家・世界探検家である、エハン・デラヴィ氏が主催する「エハン塾」にて、アイソレー

記事を読む

アイソレーションタンク(フローティングタンク)体験談-錯覚する脳(8)

これで最後となります。 瞑想の境地 私がタンクに最も期待したのは、リリー博士のように、宗教的

記事を読む

アイソレーションタンク(フローティングタンク)体験談-錯覚する脳(6)

最後に著者である慶応義塾大学大学院教授の前野隆司氏の体験と考察を何度かに分けて取り上げたいと思います

記事を読む

リラックスの延長に「生きていくことのリセットスイッチがある」

私たちフロートセンターがリラックスの場を提供するのはなぜか? 現在私が1年間を通して勉強している潜

記事を読む

アイソレーションタンクの効果6~被暗示性の高まり~

「メガブレイン―脳の科学的鍛え方」(マイケル ハッチソン著 総合法令出版)より アイソレーショ

記事を読む

Message

2017年の新年あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。 2016年は丙申の年で「専門家

水曜日のカンパネラ・コムアイさんの体験談

水曜日のカンパネラの主演・歌唱担当コムアイさんのアイソレーションタンク

閉所恐怖症とアイソレーションタンク

知り合いからの問い合わせで、 「閉所恐怖症なんですが大丈夫ですか

no image
Leena KROHN(レーナ・クルーン)著「偽窓」

「偽窓」という面白い小説を手に入れました。 著者はLeena K

フローティングタンク入門ガイド

フロートセンターのお客様である、マガリさんがアイソレーションタンク(フ

→もっと見る

PAGE TOP ↑