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アイソレーションタンク(感覚遮断タンク)体験談-錯覚する脳(1)

「錯覚する脳」(ちくま文庫)前野隆司著には、慶應義塾大学大学院教授の前野氏と研究室の研究員や学生の3人が、当時白金にあったアイソレーションタンクサロンのeccoでフローティングをしたレポートが詳細に書かれています。その内容を数回に分けて抜粋してみたいと思います。書籍のかなりのページ数を割いてレポートされているので、実際の様子を知りたい人は直接読まれた方が良いと思います。個人的には当時のeccoがスピリチュアルに傾倒して、別の角度から見ると怪しいと思われる様子が克明に描写されているので、ちょっと面白いです。

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外からの感覚のクオリアがイリュージョンだとしたら、内側からの感覚である志向性クオリアの方は、何なのだろう?こちらも、イリュージョンなのだろうか? 私(前野教授)と同じような疑問を持った科学者がいた。

外部からの感覚的な刺激をすべて遮断すると、人間はどのようにかんじるのだろうか?ということに興味を持った、アメリカのジョン・C・リリー博士だ。

前に述べたように、外部からの五感情報をすべて取り去るということは、身体の外側の世界の事が何もわからなくなることであり、心の世界は中だけで閉じた世界に陥らざるを得ない事になる。したがって、恒久的にそのような状態に置かれた生物は、一般的にはあり得ない。しかし、何らかの条件下でそのような状態に置かれる事はあるだろう。

たとえば、瞑想状態。瞑想状態は、五感から得られる感覚性クオリアと、内側から沸き上がってくる志向性という邪念を排除し、仏教で言う「空」の状態を目指すもののように思える。

リリー博士は、瞑想状態とは別の方法で、感覚性クオリアを遮断する方法を考案した。すなわち、外部からの感覚を取り去ったときに人はどのように感じるのかをあきらかにするために、1950年代に開発し、1980年代に商品化したアイソレーション(感覚遮断)タンクだ。

感覚遮断タンク(アイソレーションタンク・フローティングタンク)とは、真っ暗なタンクの中に人が入り、感覚の遮断された状態を体験するためのものだ。最初は、液体の中に立って入るものだったが、その後横になって浮かぶものに改良されたという。二十世紀終わり頃には少しブームになり、一時は健康ランドやトレーニングセンターに置かれたりもしていたらしいが、現在はめっきり数も減り、ある人の話によると、日本には現在、東京都京都と、二台しかないという。(注:現在は9カ所あります。)

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