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アイソレーションタンク(フローティングタンク)体験談-錯覚する脳(4)

B君の場合

視覚について
・視覚は完全に遮断されました
・目を開けた場合と閉じた場合はほぼ同じ暗闇ですが、目を閉じた場合はやや赤みがかかった感じがしました(これは、アイソレーションタンクの外でも、つまり、日常的にも同じように感じます。)

聴覚について
・前野先生(後述)とは違い、聴覚もかなり遮断されているように感じました。溶液の中に耳を浸けても雑音は聞こえませんでした。
・幻聴、というか、頭の中でいろいろな会話、歌が錯綜して聞こえました(女性のアナウンスのような声、プールの中で会話しているような声、A君らしき声)。おそらく過去の記憶だと思われます。プールの中での声のように聞こえたのは、アイソレーションタンクの中での水の感覚によって連想したためなのかもしれません。

体性感覚について
・予想していたよりも、水に触れている感覚は少なかったです。普通にプールや風呂に浸かっているときよりも、皮膚になじむ感じがしました。体が溶けて消えてしまうような感覚はありませんでしたが、境界が不鮮明な感じは生じました。
・平衡感覚には劇的な錯覚が生じました。イメージ次第では、立っているようにも感じられました。また、頭を動かすと平衡状態に変化が生じました。例えば、首を前に倒すと、前方に体が一定角速度で回転するような感じ、首を後ろに倒すと後方に回転する感じが生じました。
・前野先生がおっしゃっていた、初期の移動感覚が持続する感覚(後述。視覚遮断して浮いた瞬間に感じる、一定角速度でぐるぐるまわる感じやゆっくりと前進する感じ)も確認しました。体がゆっくり旋回しているような錯覚もありました。
・視覚的に傾いた世界では体が傾いているように錯覚するように、視覚は普段、平衡感覚を補正していると考えられます。今回の平衡感覚の錯覚の原因は、視覚による補正がないために、体性感覚(頭部の傾きなど)を入力情報として脳が予測した位置、速度、角速度の初期値がそのまま維持されたという事だと思います。

体のコントロールについて
・今回もっとも興味深かったのは、手足のコントロールがぎこちなくなることでした体性感覚が麻痺してくると、手や足の指先を動かそうとしても、なかなか動かせませんでしたその気になれば動かせましたが、ちょっとした決心が必要でした。意識の切り替えのような、ちょうど、軽い金縛りにあったような感じでした。

温度感覚について
・水温は初めやや冷たいと感じましたが、数十分で体温になじんで気にならなくなりました。
・ちなみに、タンクから出て帰宅するまで、ずっと体がポカポカしていました。低温風呂に長く入ると体の芯から温まるといいますが、その効果でしょうか?

時間感覚について
・時間は90分のはずですが、あっという間に過ぎました。途中、意識が途切れた(さっきまで何をしていたのか思い出せない)状態があったので、寝ていた時間があったのかも知れません。しかし、寝起きのような気だるさはありませんでした。どちらかというとずっと覚醒していたような感じでした。

その他
・リラクゼーションとしてはいい効果をもつのでないかと思いました。
・タンクに慣れたころ、小便をしたくなってトイレに行きましたが、戻ってきてタンクに入っても元の落ち着いた状態にすんなりと戻れました。脳の可塑性、適応力はすばらしいと思いました。
・顔にしずくがかかって不快だったり、尿意を催したりした場合は、すぐに外に出てすっきりした方が良いと思いました。途中で三回外に出ましたが、気分転換して、また浸かるたびに違和感がなくなっていくように感じました。

立っているような感覚とか前方に回転するような感覚というのがちょっとビックリします。
体験談はより深いリラックス状態に到達したC君に続きます。

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