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アイソレーションタンク(フローティングタンク)体験談-錯覚する脳(8)

これで最後となります。

瞑想の境地

私がタンクに最も期待したのは、リリー博士のように、宗教的悟りの境地のような、夢を見ているような、あるいはトランス状態のような神秘的な体験をできるのではないかということだった。しかし、残念ながら、私の場合には、まったくそのような感じにはならなかった。いつまで経っても、ただタンクの中に寝ているという感じのクオリアが、私の全身を支配していた。

 これに対し、C君は、かなりリリー博士に近い体験をしたようだ。特に彼の言っている第四段階は実に興味深い。C君は言う。

「触覚も、視聴覚も、呼吸も全く意識しない状態になり、完全に自分が液体に溶け込んでしまったような感じだった。自分という意識(自己意識)が全く無いかのような状態だった」、と。
 なんとも羨ましい。
 C君は、禅の瞑想の経験があるそうなので、このことが関係しているのかも知れない。
 自分という意識(自己意識)が全く無いけれども意識(覚醒)はかなりクリアな状態、というのはわかりにくいが、自分の身体と主観的な意識はなくなって、客観的に自分を見ることのできる、宇宙と一体になったかのような、意識だけがあるような状態になっていた、というような感じだという。まさに、いわゆる瞑想の境地ではないか。

「起きる」と「寝る」との境界
 タンクは、寝ている状態と起きている状態を非常に滑らかにつなぐ機械だと言える。何しろ、目を開けても閉じても周囲の環境はほとんど違わない。タンクの中で寝たり起きたりした時には、起きた事を知らせる外的な刺激はほとんどないので、私たちは、いつ寝ていつ起きたのか、どこまでが現実でどこからが夢なのかを、きっちりと自覚できないのではないかと思えてくる。
 夢を見ているとき(レム睡眠のとき)にはθ波が出るという。そして、チベットの僧侶の瞑想状態もそうなのだという。θ波が出るような状態では、ものを考えられなくなっているともいう。このことからも、瞑想の境地とは、もちろん夢とは異なるが、何か夢に近い状態に過ぎないのではないと思える。
 夢と同じようなモードなのであれば、幻視や幻聴が感じられることも不思議ではない。手がなくなったように感じられようと、心が宇宙に拡大されようと、自由自在だ。

 ~

 いずれにせよ、タンク体験は、スカイダイビングのような、あるいは、未知の世界を垣間見て感動した時のような、新しい感じであった事は確かだ。 

 アイソレーションタンクの体験談としてはかなり長く、詳細に書かれています。是非書籍にてご覧いただければと思います。
 
 次は、タンクの購入について書いてみたいと思います。

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