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アイソ-レションタンクと感覚遮断の研究の歴史(3)

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マギル大学(McGill University)のD・O・ヘッブの研究が行われていた頃、ジョン・C・リリー博士はサルの脳に電極を何本も刺して、その電極に電気信号を与えた時に、サルがどんな反応を示すかを調べて、脳の機能を地図を作るという研究をしていました。

人間の意識の問題に常に関心を寄せていたリリーは、すぐにこの感覚遮断の研究に興味を持ち、自分でも実験しようと考えました。しかし、リリーは、これまでの実験方法では、本当の感覚遮断にならないとも思いました。

これまでの実験で、遮断される感覚は、主として視覚と聴覚で、あとは(ニップの場合)手先の触感が問題にされたことぐらいでしょう。しかし、実は脳に入ってくる感覚情報はそれ以外に沢山ある。たとえば、触覚情報は、手のみならず、全身の皮膚や毛根から上がってくる。皮膚からは、接触以外に、圧感、冷覚、温感、痛感などの情報がそれぞれ違う受容器から常時脳に届いているのです。

皮膚感覚の他に重要な感覚として、深部感覚というものがある(皮膚感覚と深部感覚を合わせて体性感覚という)。これは、体内の筋肉、関節、腱などからあがってくる情報で、筋緊張の度合いなどを伝えてくる。これは大変に重要な情報で、これによっては脳は身体各部がどのような位置にあるとか、どう動いているかといかを知ることができます。また、あらゆる動物の身体には至る所に抗重力筋という筋肉があり、これが緊張することで、重力に抗して一定の姿勢を保っています。抗重力筋からの情報が途切れると、脳は自分が無重力の空間にいるかのごとく判断して自分の姿勢を保てなくなる。この関連でいうと、耳の中の前庭器官からくる平衡感覚情報も大切である。この情報で、脳は身体の傾きとか、回転とかを知ることができる。これがないと人は身体のバランスが保てなくなるのです。

視覚、聴覚だけでなく、こういった感覚情報をすべて取り除かないと、本当の感覚遮断にはならないとリリーは考えました。いろいろ考えたあげく、リリーは、光も音も完全に遮断したタンクの中に、人間と同じ比重の液体を入れて、それを体温と同じ温度に保ち、その中に素っ裸になって入り、水中酸素マスクを付けて浮遊する方法を考えたのです。そうすれば、ほとんど無重力状態と同じだから、そこでリラックスすれば、あらゆる緊張感がなくなり、皮膚感覚に対する感覚刺激もゼロに近くなります。

究極の感覚遮断装置の初期型は水中酸素マスクをつけて浮遊したのです。

「自己受容感覚(第六感)とは」

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