アイソレーションタンクと感覚遮断研究の歴史(5)
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もう少しリリー博士の実験報告を記載します。
「この暗闇の静かな環境の中で、他人が私と共にいるように思われる体験をした。実際に彼らを見、漢字、彼らの発する音を聞くことができたのだ。ある時には、起こっていることを自分が眺めている、覚醒夢と呼ばれている一連の情景を見た」(意識の中心)
「ジョン(自分の事)は、外的現実に参加している普通の目覚めた意識と深い眠りに陥った無意識の状態との間に、じつに多くの意識状態ないし存在の状態があることを発見した。そういった状態を意図的に制御しうることもわかった。その気になれば、白日夢や幻覚を見ることも可能なのだ。すべての出来事は内的現実の中で起こるのだが、あまりに鮮明で『現時的』であるため、外界の出来事と見紛うほどだった」(サイエンティスト)
「自分の想像力によって生み出されたのか、未知の源によって脳にプログラムされていたのかわからないが、霊的な存在を実感した。また、遠く離れたところにいるはずの人物が目の前にいるのを体験したり、まったく面識のない見知らぬ人物の存在を感じたりもした」(サイエンティスト)
こうして、いわゆる霊的世界、超常現象の世界といわれるところまで足を踏み入れていくことになるのです。しかし、このときは、リリー博士はそういう世界が実在する世界だとは考えていなかったのです。
「当時、ジョンは、脳が心を収容するという信念を信じて疑わなかった。脳とは別個の源がタンク内の彼と対話するなどといったことはありえないと思っていた」(サイエンティスト)
現実的には、霊的世界との出会いと思われることを体験しても、リリーはこれもまた脳内現象と考えていました。霊的存在も自分の脳が生み出したものと考えました。遠く離れたところにいるはずの人が目の前に現れても、それは自分の脳が作り出した幻像であると考えていました。
しかしリリーは、アイソレーションタンクによる感覚遮断実験を繰り返すうちに体外離脱や臨死体験と同じような体験、あるいはそれ以上の体験を積み重ねることになり、やがて次第に、脳内現象が全てではないと考えるようになるのでした。自分は、脳外に存在する宇宙的存在者のとのコミュニケーション・ネットワークに、脳を介して接続しているのではないか?などと考えるようになるのです。
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